出版論文

  1. [03] Makoto Miura,
    Minuscule Schubert varieties and mirror symmetry.
    SIGMA 13 (2017), 067, 25 pages.
    arXiv:1301.7632 [math.AG].
    博士論文の主要部分. 初めての海外出張でトロントの研究集会に参加し,刺激を受けて帰ってきたのが幸いしたと思う. 帰国直後から,とにかく本腰を入れてSchubert多様体の超曲面完全交叉Calabi-Yauを探してみた. すると,Fourier-Mukai pairの存在が予想される面白い例が見つかったのでちゃんと調べることにする. 特異点のせいで面倒だった不変量の計算も,城崎でのポスター発表を目標に頑張ってみたら貫徹出来た. その後,しばらく論文を書かずにのんきにやっていたのだが,ドイツ滞在中にFMSP教育支援員の公募〆切があったので,今度はそれを目標にして一気に仕上げた. のちに,BCOV理論を用いた高種数インスタントン数の計算などを追加した上で公開. 分類に漏れが見つかったりして出版までにはずいぶん時間をかけてしまった。
  2. [08] Daisuke Inoue, Atsushi Ito and Makoto Miura,
    I-functions of Calabi--Yau 3-folds in Grassmannians.
    Communications in Number Theory and Physics, Vol. 11, No. 2 (2017), pp. 273-309.
    arXiv:1607.08137 [math.AG].
    [07]とセットで発表した論文. [07]に登場するCalabi-Yauのそれぞれについて,様々な方法でPicard-Fuchs方程式を計算している. ほとんどの計算を井上さんがしてくれたので頭が上がらない. 未発表だが,一部の例ではトーリック退化を使ったミラー構成によってもPicard-Fuchs方程式を予想することが出来て,両方の計算を突き合わせるのがとても楽しかった.
  3. [02] Atsushi Ito and Makoto Miura,
    Seshadri constants and degree of defining polynomials.
    Mathematishe Annalen. 358 (2014), no. 1-2, 465-476.
    arXiv:1301.7633 [math.AG].
    僕が博士課程の学生だった頃,伊藤さんがトーリック退化でSeshadri定数を計算するという仕事をしていたので,Grassmann多様体の超曲面完全交叉ぐらいで具体的にSeshadri定数を決められないだろうか,などと雑談していたのが共同研究のきっかけとなった. いざ一緒に計算を始めると面白いように毎日進展があり,1週間ぐらいでGrassmann多様体の超曲面完全交叉の場合はほぼ解けた感じになる. はじめは日比トーリックの組み合わせ論を使ってまとめていたが,ある日,伊藤さんがtesting flagを取れば良いというアイデアを思いついたことで,一気に一般化出来た. そのあと,線形切断の上限の評価だけがしばらく残っていたものの,それも最終的には伊藤さんがconicを見つけてくれたおかげで解決した.

未出版論文

  1. [10] Atsushi Ito, Makoto Miura and Kazushi Ueda,
    Projective reconstruction in algebraic vision.
    arXiv:1710.06205 [math.AG].
    個人的にはKIASに来ていろいろと模索したことから生まれた論文.コンピュータ・ビジョン側で示されていたHartley-Shaffalitzkyの射影再構成定理が元ネタだったが専門家との接点がなく手探り状態だった.京都で伊藤さんと議論を繰り返すうちに問題の輪郭が見えてきたのが楽しかった.
  2. [09] Atsushi Ito, Makoto Miura, Shinnosuke Okawa and Kazushi Ueda,
    Derived equivalence and Grothendieck ring of varieties: the case of K3 surfaces of degree 12 and abelian varieties.
    arXiv:1612.08497 [math.AG].
    東京で井上さんと会った際,[07]の方法で分類したK3曲面の表を眺めながら,試しに次数を計算してみたのがきっかけ. 次数12のK3曲面が出てきたので,これはまたK3曲面のFourier-Mukai pairがD_4型のTits変換で関係しているのではと思い,すぐに[05]のメンバーや橋本さんに相談したことで議論が始まった. この例でもモチーフの式はすぐに得られるが,K3曲面が一般の族になるかどうかが問題だった. それについては,伊藤さんがD_5型のTits変換を用いるという方法を思いついてくれたおかげで解決. その後も皆で改善を繰り返していたが, Kuznetsovで[05]の導来同値が証明されたり,Kuznetsov-ShinderでK3曲面の例がさらに構成されたりとずいぶん活発な雰囲気になってきたので年内に公開することになった.
  3. [07] Daisuke Inoue, Atsushi Ito and Makoto Miura,
    Complete intersection Calabi--Yau manifolds with respect to homogeneous vector bundles on Grassmannians.
    arXiv:1607.07821 [math.AG].
    井上さんが,Grassmann多様体の(等質ベクトル束の)完全交叉Calabi-Yauをabelian/non-abelian対応を使って調べていたところ,なぜか[03]と同じPicard-Fuchs方程式が得られたという話をしてくれて議論が始まった. 京都での研究集会に参加した際に,2人で伊藤さんに会いに行き,この件を相談したところ,確かに同型になることが分かった. 同じ証明が他の完全交叉Calabi-Yauに対しても使えるので,いっそ網羅的に調べてしまおうということでこういう形に発展していった. 分類などは細かい議論が多くなってしまったけれど,結果の表はきっと役に立つと思う.
  4. [06] Atsushi Ito, Makoto Miura, Shinnosuke Okawa and Kazushi Ueda,
    The class of the affine line is a zero divisor in the Grothendieck ring: via $G_2$-Grassmannians.
    arXiv:1606.04210 [math.AG].
    大川さんがKIASにいらしたとき,Pfaffian-Grassmannian pairのモチーフに関するMartinの新しい結果を気にしていて,せっかくなので,[05]で見つかっている退化先の方でもモチーフの式が出せないか考えてみようと話を持ち掛けてくれた. いざ議論してみると,Tits変換の図式が面白いように活かせて,すぐにbest possibleな式が得られた. これはこの話だけで1本にまとめたいね,ということで4人で相談した結果,[05]と2本立てにして発表することになった.
  5. [05] Atsushi Ito, Makoto Miura, Shinnosuke Okawa and Kazushi Ueda,
    Calabi--Yau complete intersections in $G_2$-Grassmannians.
    arXiv:1606.04076 [math.AG].
    [06]とセットで発表した論文.もともとは,植田さんが東大に移って来られたので,僕が韓国に行くまでの半年ぐらいで出来ることをやろうということで始まった研究であった. [07]でA型Grassmannの完全交叉Calabi-Yauの分類が出来ていたので,G_2型で同じことをやってみたら新しい例が見つかったという話. ところが,意図せず不変量がPfaffian Calabi-Yauのそれと一致したので,ひょっとしてPfaffian-Grassmannian pairがG_2型のTits変換で関係しているのでは,となって盛り上がった. この話を伊藤さんに相談したところ,実際にはPfaffian-Grassmannian pairの退化先になっていることが分かり,最初の形にまとまった. 後にPfaffian Calabi-Yauの退化はKapustka-Kapusktaで知られていたことが分かったため,修正して今の形に.

その他

  1. [04] Makoto Miura,
    Hibi toric varieties and mirror symmetry.
    博士論文 (2013年1月), 要旨(日本語).
    修士の頃,金澤さんとGrassamann多様体 2つの完全交叉でCalabi-Yauが出来そうなことを見つけて盛り上がったことがあった (cf. Kanazawa). 以来,そのCalabi-Yauのミラー構成をずっと気にしていた. ところがドイツ滞在中にドイツ語のレクチャーがチンプンカンプンだったのでぼけっとしていたら,ふとprojective joinを用いればいいことに気が付いてあっさり解決したのだった. というわけで,当時すでに出来ていたminuscule Schubertの結果と合わせて,日比トーリックを中心にまとめ直したものがこの博士論文である. (しばらくしてKapustkaによって独立にそのミラー構成が発表された.)
  2. [01] 三浦真人,
    Grassmann多様体のトーリック退化とミラー対称性.
    修士論文(日本語) (2010年2月).
    次数12のK3曲面が面白いのでorthogonal Grassmannのトーリック退化を調べてみたら,という師匠からのsuggestionを受けて始めた最初の研究. 項順序によるトーリック退化を実直に調べてミラー構成をしたのだが,同時期にBondal-Galkinによってよりエレガントな方法が発表されたことで,D論の研究につながった. 旗多様体の超曲面完全交叉Calabi-Yauをリストした付録の方が,役に立つかもしれない.